シンボリルドルフ×シリウスシンボリ

どこにもいくな

「ん………」 眩しい。 手を飾して目蓋を開けば、朝日と少し肌寒い初秋の空気。 目の前にあったのはシーツの上にさらりと流れる胡桃色の尻尾だ。 私はベッドに横たわっていて、その端に座るアンタの垂れた尻尾を見つけた。 手を伸ばして、ひらりひらりと気まぐ…

Once upon a time

──いつか私たちが物語になったら。本棚で隣同士に置かれるような、そんな話が良いね。シリウス。 『廊下はゆっくり走るように』 小さく返事をして、ぴかぴかに磨かれた床と仏蘭西窓で切り取られた長い廊下をと、と、と、と走る。 「叱られたじゃんか、ルドル…